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新興国に投資するETF「VWO、EEM、IEMG」

新興国に投資する「VWO、EEM、IEMG」

 新興国。2021年に私が注目してるテーマです。今、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響への対策として、アメリカの中央銀行FRBは大規模な金融緩和を実施しており、今後もしばらくは低金利政策が続きそうな情勢です。そういった状況が続けば、ドル安が続くことになり、新興国へ資金が流入するとともに、通貨高となります。そして、ドル建ての借金の返済負担が減るなど好循環となり、新興国の高い成長性を享受できるかもしれません。

そこで、今回はそんな新興国に投資できる米国株ETFを3つ紹介したいと思います。

新興国市場に幅広く投資できる「VWO」

VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)は、世界の新興国の大型株から小型株までをカバーするFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスへの連動を目指します。

構成株式銘柄数は、5,002銘柄となっており、新興国株式市場時価総額の約99%をカバーした非常に分散が効いているETFと言えます。新興国の株式は値動きが激しいものも多いので、これ程分散されていれば、1つの銘柄が与える影響は少ないと考えられます。

また、経費率は年0.10%ととても低コストになっており、投資しやすくなっています。

ちなみに分配金利回りは2.50%(12/4時点)となっています。

国別構成率は?

国別の構成銘柄は以下のとおりです。

中国 46.10%
台湾 15.90%
インド 10.20%
ブラジル 4.90%
南アフリカ 3.80%

となっています。中国の比率が高いのが気にはなりますね。しかし、中国からは実際に世界的な企業も生まれていますし、経済指標などでも新型コロナからいち早く回復している模様です。また、今のところアメリカの大統領もバイデン候補であることも考えると、米中の摩擦も緩和に向かうかもしれません。そんなことを考えると、中国経済の行方を意識しながら少額で積み立ていくのであれば、問題ないかもしれません。

保有銘柄の構成は?

保有銘柄の構成は以下のとおりです。

1 Alibaba Group Holding Ltd.
2 Tencent Holdings Ltd.
3 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.
4 Meituan
5 Reliance Industries Ltd.
6 Naspers Ltd.
7 JD.com Inc.
8 China Construction Bank Corp.
9 Ping An Insurance Group Co. of China Ltd.
10 Infosys Ltd

アリババ、テンセント、台湾セミコンダクターと世界でも有名な企業が上位を占めています。

新興国の大型・中型株に投資する「EEM」

EEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)は、新興国の大型株と中型株を対象としているMSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動しています。VWOとの大きな違いは対象として韓国を含むかどうかです。

こちらは、1218銘柄を保有しており、約26カ国の株式市場の時価総額の約85%を網羅しています。

VWOよりは構成銘柄数は少ないですが、しっかりと分散はされています。

経費率は、0.68%とVWOと比べるとかなり高めとなっています。

また、分配金利回りは2.33%(12/4時点)と同水準となっています。

国別構成率は?

国別の構成銘柄は以下のとおりです。

中国 39.75%
韓国 12.88%
台湾 12.41%
インド 8.95%
ブラジル 5.05%
南アフリカ 3.47%

VWOと違い、韓国が入っていますが、それ以外は大きく構成は変わりません。
韓国をどう考えるかですね。

保有銘柄の構成は?

保有銘柄の構成は以下のとおりです。

1 Alibaba Group Holding Ltd.
2 Tencent Holdings Ltd.
3 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.
4 SAMSUNG electronic  Ltd.
5 Meituan
6 Naspers Ltd.
7 Reliance Industries Ltd.
8 China Construction Bank Corp.
9 Jdjd.com Adr Representing Inc
10 Ping An Insurance

VWOとほとんど被っていますね。


新興国の大型株~小型株を対象「IEMG」

IEMG(iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF)は、新興国の大型株・中型株・小型株を投資対象としていて、韓国を含むMSCI エマージング・マーケッツIMI インデックスをベンチマークとしています。
新興国24カ国の2,876銘柄で構成されており対象国の株式の時価総額の約99%をカバーしています。

経費率は0.13でVWOに近く低コストです。
分配利回りは2.74%(12/4)です。

国別構成率は?

国別の構成銘柄は以下のとおりです。

中国 36.59%
韓国 13.35%
台湾 13.27%
インド 9.55%
ブラジル 5.24%
南アフリカ 3.43%

となっています。EEMとほぼ同じと言っていいでしょう。

保有銘柄の構成は?

保有銘柄の構成の上位10位は以下のとおりです。

1 Alibaba Group Holding Ltd.
2 Tencent Holdings Ltd.
3 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.
4 SAMSUNG electronic  Ltd.
5 Meituan
6 Naspers Ltd.
7 Reliance Industries Ltd.
8 China Construction Bank Corp.
9 Jdjd.com Adr Representing Inc
10 Ping An Insurance
こちらもEEMと同じです。

VWOとEEM、IEMGのパフォーマンスは?


新興国に投資できるETFで一番重要なパフォーマンスを比較してみましょう。
以下は、
VWOとEEMの年初来の動きをチャートで比較したのです。

VWOとEEMとIEMGの比較

青がVWO、オレンジがEEM、紫がIEMGです。ちょっと見えにくくてすみません。比べてみてもそれほど、大きな差はありません。年初来ではEEMの方が上昇率は高いです。

新興国に投資するなら「VWO」か

VWOとEEMとIEMG。基本的には大きな違いはないので、どれを選んでも大差ないと思います。違いといえば、韓国を含むかどうかと、VWOの方が経費率が少ないことです。
私なら、経費率の低いVWOを選びます。

2021年からは、ドル安が持続すれば、新興国 への投資ブームが来る可能性が十分にあると考えています。そのため、FRBのガイダンスをしっかりと確認しながら逃げ遅れないように徐々に投資していこうと考えています。

アメリカ市場に投資できる米国籍ETFを紹介した記事です。

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