アメリカの長期金利上昇に「バリュー株」で備える!
私が株式投資を続ける中において、日々チェックしている指標の一つにアメリカの10年国債利回り(長期金利)があります。それは、金利が景気循環の指標とあるとともに、金利の動きにより、株の物色が変化するからです。
現在、アメリカの10年国債利回りは0.721(令和2年9月4日終値)で、過去最低水準で推移しています。これは、新型コロナの影響もあり、FRB(米連邦準備理事会)が大規模な金融緩和として、政策金利の引き下げ、債券の購入を行っている影響でもあります。
このおかげもあり、アメリカの株式市場は、コロナショック前の水準までほぼ戻しており、ハイテク株中心のナスダックに関しては、一時史上最高値の更新を繰り返すなど、予想以上に上昇をしています。
しかし、アメリカの10年国債利回りは、下値余地が限定的となっていることに加え、今後経済指標も一定水準まで戻ると考えられることから、今後どこかのタイミングで、アメリカの長期金利が反転上昇してくると考えています。
その時に、素早く対応できるように金利上昇にどう対応するか考えたいと思います。
金利上昇局面で上がる株は?
過去の金利上昇局面では、グロース株よりバリュー株が優位になっています。グロース株は、未来の成長を織り込んで株価が上昇しています。そのため、金利の上昇は、低コストで資金を調達し、成長に積極投資して利益を上げてきたグロース企業にとってはマイナスと考えられ、これまで許容されてきた高いバリュエーションが許容されなくなります。一方のバリュー株は、期間益回り・配当利回りがグロース株より高く、割安で放置されているので、金利上昇時に投資妙味が上昇します。
いずれにしろ、金利上昇のタイミングでは、私が保有しているグロース株のパフォーマンスが低下することが考えられます。
そのため、金利上昇局面では金利上昇の好影響を受けることができる株の保有を検討する必要があります。候補として考えられるのは、銀行株や生保株となると思います。
ともに金利差によって利益を得るビジネスモデルで、安く資金を調達し、運用して利ザヤを稼いでいるからです。
特に生保株は、来季の業績予想も比較的良かったので、物色の候補としては最有力です。
普段から長期金利のチェックを!
実際、この数年の間にも、何度かアメリカの金利が上昇し、バリュー株が優位になる局面がありました。(結局は長続きせず、グロース株の優位に戻っています。)
本格的な金利上昇局面では、その変化に乗り遅れると大きな利益を得ることを逃すことに繋がります。そのため、普段からアメリカの10年国債利回りを注視しておくことに加え、金利上昇が見られる局面で遅れることなくバリュー株に投資するための準備(銘柄の選別など)が必要です。この時、たとえ金利上昇が続かず、バリュー株を損切りすることになっても構いません。これは必要コストだと考えています。バリュー株に資金の流れがシフトした際は、初動に乗ることが重要です。
みなさんも金利上昇による株式市場への影響を一度勉強し、アメリカの10年国債利回りが上昇を続ける場合に大きな利益を得られるように準備しておくことをおススメします。