
セリングクライマックスとは?
みなさんも一度はセリングクライマックスという言葉を聞いたことあると思います。
セリングクライマックス(selling climax)とは、大きな下落相場において、それまで耐えていた投資家が、これ以上我慢できなくなり、損失覚悟で保有株を投げ売り、売りが売りを呼ぶ状況となり暴落的な急落となることをいいます。まさに市場が総悲観の状態のことです。
セリングクライマックスは下落相場の底値で起こり、その後は、売りたい人は売ってしまった状態ですので、売る人がいなくなり、株価は上昇します。
セリングクライマックスの時に安値で株を仕込めると、その後の上昇で大きな利益を得ることが可能になります。
セリングクライマックスサインは急落と出来高、そしてローソク足
セリングクライマックスのサインとして重視されるのはまず出来高です。
株価の下落が続いている場合に出来高が増大し大きく下落します。これが、セリングクライマックスのサインです。出来高が増加しているということは、株の投げ売りが出ていると考えられます。
また、併せてローソク足にも注目です。セリングクライマックスの時は、ローソク足が下髭を大きく引いた後、上昇することが多いです。(下髭がない場合は、大きな陽線から始まる場合もあります。)
予想超える急落と出来高、下髭を引いたローソク足があればセリングクライマックスの可能性は十分に考えられます。
アメリカ、日本の主要株価指数の出来高は増加
調べたところ、昨日(2020年2月27日)のNYダウ、S&P500、ナスダック、今日の日経平均株価、TOPIXは出来高増大を伴い大きな下落となっています。まさに、セリングクライマックスに近づいているのではと感じさせます。


2020年2月28日のアメリカ市場を終えて追記しました!
2月28日のアメリカ市場。ニューヨークダウ、S&P500、ナスダックはともに出来高増大。通常時の3倍程の出来高です。
さらにニューヨークダウ、S&P500は大きな下髭。ナスダックは大陽線。
ナスダックは前日とほぼ同じですが、一応プラス。先行指標のひとつとして機能している半導体SOXはなんと2%以上の上昇でした。
リスク指標としてチェックしてるジャンク債券(HYG)も逆行高。リスク後退です。
週末ということでショートカバーがあったのでしょうが、これはやはり、セリングクライマックス?


その他の指標も相場反転を示唆している?
その他の指標を見てみても、そろそろ反転を思わせるものが多いです。
底値をほぼピンポイントで当てる騰落レシオは53.31%。リーマンショックの時はなんと54.4%ですから、それ以下です。
また、松井証券のホームページによると信用損益損益率は2月27日時点で-16.676。28日も大きく下落しているのでもっと下がっていると思います。だいたい-15~-20が底入れと言われるので、もう反発しても良い水準です。
※信用評価損益率・・・信用取引している投資家が含み損益をどれくらい抱えているかを表した指標
VIX指数もすでに40まで上昇していますし、アメリカの長期金利は過去最低!
これらを見ているとそろそろと考えずにはいられません。
もちろん、当てが外れる場合も十分に考えられますので、セリングクライマックスではなく、更に売り込まれる場合にどうするかも考えておきましょう。
と言っても、私はここまで来たら、我慢するしかありません…。
行き過ぎは必ず修正されるものである。
株式市場において、行き過ぎは修正されます。今回のこの新型コロナウィルス。経済への悪影響は間違いなくあるでしょうが、果たして、景気後退をもたらすものなのか…。私は少々疑問を感じています。
株式市場は最悪の事態をおりこんでいます。さすがに今後は世界各国が財政政策を打ち出すと思いますし、FRBの利下げもあるかもしれません(28日、FRBのパウエル議長は利下げの可能性に言及。(追記))。これらが出てくると株式市場は思ったより大きな上昇波動となるかもしれません。