アセットアロケーションとは?年代別の理想・おすすめの配分は?
皆さんは、アセットアロケーションという言葉はご存知ですか。
簡単に言えば、「資産配分」のことです。
資産配分を適切に行うことは、投資におけるリスクの軽減を図るためにとても大切です。
今回は、「アセットアロケーション」について、その内容や年代に応じた理想的な配分についてやさしく解説していきます。
目次
アセットアロケーションとは
「アセット」は「資産」、「アロケーション」は「配分」という意味の英語です。「アセットアロケーション」とは日本語で「資産配分」という意味になります。
資産は、大きく分けて「現金(預貯金)」「株式」「債券」「不動産」などに分類されます。アセットアロケーションでは、運用する資金をこれらの資産にどのような割合で投資するのかを決めていきます。
収益性の異なる資産に分散して投資することで、運用リスクを抑えて安定したリターンを目指します。
アセットアロケーションは、その人の資産状況や運用目的などその人に応じた適切なものとする必要があります。また、年齢によって変化する収入やライフイベントに合わせて、アセットアロケーションを定期的に見直すことも必要になります。
米国では、アセットアロケーションの見直しを毎年することが推奨されています。ライフステージの変化はもちろんのこと、特定資産の暴騰や暴落で資産の割合が変化した場合には、アセットアロケーションを見直すようにしましょう。
ポートフォリオとの違いについて
アセットアロケーションでは、「預金(預貯金)」「国内外株式」「国内外債券」などの資産の割合を決めていきますが、具体的に金融商品を組み合わせたものを「ポートフォリオ」といいます。
アセットアロケーションを決めた後に、毎月の掛金をどのような具体的金融商品に配分するのかという組み合わせである「ポートフォリオ」を決めていきます。
資産運用の結果の9割はアセットアロケーションで決まると言われており、どの会社に投資するかというポートフォリオはそれほど影響しかないそうです。
それほど、資産運用におけるアセットアロケーションの重要性は高いと言えるのです。
年代別理想的なアセットアロケーション
アセットアロケーションを組み立てようと思っても、理想的な配分が分からないと、なかなか難しいものですよね。
投資できる金額や状況によって違いがありますが、各年代別に理想のアセットアロケーションを例示していきますので、参考にしてみてください。
なお、若い年代ほどリスクを高くし、歳をとるごとにリスクを下げて保守的にするアセットアロケーションが理想的であると言われています。
30代の理想的なアセットアロケーション
・理想的な比率
国内株式:35%
外国株式:25%
国内債券:25%
外国債券:10%
現金:5%
30代はまだまだ長い投資期間を確保できるため、ある程度のリスクを許容しながら積極的に運用することをおすすめします。
30代は、リスクが高いながらも高いリターンも期待できる国内外の株式を中心に、アセットアロケーションを組み立てていきます。
株式投資は、ハイリスクな上に取引に手間や時間も必要とします。しかし、30代に株式を運用した経験は、たとえ小さな失敗をしたとしても将来の資産形成に必ず役立ちます。
ただし、安全性も重視することを忘れてはいけません。安全性が比較的高い債券を取り入れることで、リスクを調整するようにすることも重要になります。
30代は、結婚や出産などのライフイベントが重なりやすい時期ですが、この時期に投資を始めることができれば、長期的な投資が可能になります。
時間は投資において大きな武器です。生活資金は十分に確保したうえで、可能な範囲で早めに資産形成に取り組んでいきましょう。
40代の理想的なアセットアロケーション
・理想的な比率
国内株式:30%
外国株式:15%
国内証券:35%
外国証券:10%
現金:10%
40代からは、徐々にリスクの低い商品の割合を増やしていくようにしましょう。
リスクを低くして保守的な運用に切り替えるなら、ローリスクである債券などの比率を増やすことが効果的です。
40代は今までよりも所得が増えてきている一方、子供の教育費や住宅ローン等、家族にかかわる出費が多くなります。
このような状況を考慮しても。これまでの運用の状況によって、今現在の運用方針を見直す必要がある時期といえます。
設定した目的の資産に達していない場合には、さらに資産を増やすために積極運用を続けましょう。しかし、その際には目標に達しなかった原因を探って、今までの運用方針を改善する必要があります。
また、目的を達成している場合には、築いた資産を守る保守的な運用にシフトすることも可能です。それでももっと資産を増やしたいときには、攻めの体制のアセットアロケーションにしてみてもよいでしょう
40代のこの時期が、今までの自分の運用成績を振り返って検討をする、非常によいタイミングになります。
50代の理想的なアセットアロケーション
・理想的な比率
国内株式:20%
外国株式:10%
国内証券:35%
外国証券:10%
現金:25%
50代になったら、株式や海外の商品に対してリスクが低く流動性の高い商品である、国内債券をメインに運用するようにしましょう。
定年退職後の生活についても、具体的に考えていく必要がでてきます。退職までの期間が限られてくる50代は、現役で収入を得られる貴重な期間になります。
しかし、現役で収入を得ること以上に、これまで築いた老後資産が大きく目減りしないように維持することが大切になってきます。
50代という世代は、子供の教育費などが不要になる方や、住宅ローンの返済が終わるが増えてきます。
生活費に余裕があれば投資への掛金を増やして、豊かな老後を過ごせるような資産形成を目指すこともおすすめです。
老後の資産形成を達成する最終段階なので、収益性より安全性を重視し、リスクを抑えた安定運用で目標の達成を目指しましょう。
まとめ
アセットアロケーションを行う際には、年齢やライフプラン、資産状況などによって、適切な資産配分が異なってきます。そのため、注意が必要です。
一般にアセットアロケーションは自分自身で行うことが多いです。しかし、金融機関によってはプロの専門家がアドバイスをくれる場合もあります。
さらに、最近では資産運用のアドバイスや補助をしてくれるサービスである「ロボアドバイザー」も活用されてきています。
自分にぴったりのアセットアロケーションを行ったら、実際に投資と運用を行い、利益を確定させていきましょう。