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アメリカとイランが戦争?地政学リスクへの対応は?株価は?

アメリカとイランが戦争?地政学リスクへの対応は?株価は?

1月3日のアメリカダウ工業株は、地政学リスクで233ドルの下げになりました。米軍がイラン革命防衛隊の精鋭組織ソレイマニ司令官を殺害したことで、中東情勢が緊迫化しています。イランの最高指導者ハメネイ師も「重大な報復を受けるだろう」と米国に警告する声明を発表しています。

とはいえ、1月2日ダウ工業株が300ドル以上の上昇していることを考えるとまだそれほどの下げではないと思いますが、今回のニュースを契機に地政学リスクにどう対応すればいいのかを私なり考えてみたいと思います。

結論:安易にポジションを動かさない

「しばらくは静観し、動かないようにすること」

これは私が地政学リスクが顕在したときに心掛けていることです。

もちろん、事が起こってしばらくは、相場も下落しますし、ネガティブなニュースも多く出てきます。また、それに対して株価が大きく下落する場合もあります。

しかし、大半はしばらくしたら相場は落ち着くとともに、相場も慣れてきて新たなニュースへの反応も鈍くなってきます。それはここ最近顕在化した地政学リスクでも同様でした。

最近の地政学リスク(中東情勢)での株価の動き

それでは少し最近の地政学リスクを振り返ってみたいと思います。

2017年4月6日(日本時間7日)に米軍はシリアでの民間人に対する化学兵器攻撃への報復として、地中海に展開する米軍艦2隻から巡航ミサイル「トマホーク」50~60発を発射しました。この際にも中東情勢が緊迫しました。

以下がその時のダウ工業株指数のチャートです。

4月7日以降、1週間程度は軟調に推移しましたが、その後は上昇に転じています。

ドル円のチャートも見ておきましょう。こちらも1週間程度は円高になりましたが、その後反転しています。


次に見てみるのは、2019年9月14日起きたサウジアラビアにあるサウジアラムコの石油生産プラントを標的として行われたドローン攻撃です。その後、アメリカ合衆国はイランがその背後にいるものと断定しており、この時も中東情勢が緊迫しました。

以下はその時のダウ工業株指数 チャートです。

9月16日は142ドル下げていますが、そのあとはあんまり下げていません。ちなみに10月頭の大きな下げは、アメリカの経済指標の発表を受けた景気後退懸念で下げたもので、地政学リスクは関係ありません。それでも、11月に入るとその下落を克服し高値を更新しています。

ドル円チャートを見ても、16日のスタートは安く始まりましたが、その日中に元の水準に戻っています。

以上の例からもわかるように、地政学リスクでの相場下落時には、先走って狼狽売りをするのは得策ではないと思います。

遠くの戦争は買い、 近くの戦争は売り

投資の格言に「遠くの戦争は買い、 近くの戦争は売り」というのがあります。

つまり、今回の事案がアメリカや日本にどういった影響があるかをしっかりと見極める必要があるということです。

実際、戦争となったアフガン戦争やイラン戦争では、戦争が開始してから株価が上がっています。

戦争で「特需」というのもよく聞きますし、戦争で儲かる企業もあるのでしょう。アメリカ本国や日本に被害が及ぶような場合でない限り、今回もいつもの地政学リスクと同様に短期の調整で終わると思います。

トレンドは全く崩れていない!

今回の地政学リスクについては、アメリカ市場ではまだトレンドが大きく崩れるような事態とはなっていません。5日線をわずかに割った程度です。

もちろん今後続落してくるようであれば、対応が必要かもしれませんが、現時点では対応する予定はありません。通常通り明らかに25日を割ってくるような下げになるのであれば、SPXSなどで対応すると思います。下落で利益を取るのであればそれからでも遅くありません。

結果論ですが…

結果的に年末年始ということでポジションを落としておいてよかったかもしれません。たとえ下落が続いたとしても被害は最小限で済みそうです。

また、実は年末の大納会で1552を少し買いました。1552これはVIXの短期先物に連動するETFです。これがどういう反応を見せるのか少し楽しみです。

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