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投資における円安メリットと円安対策!

24年ぶりの円安水準と世界的な物価高家庭への負担等、結構な騒ぎになっています。
そこで今回は円安をテーマに取り上げます。「円安。大変だ。」と言うだけでなく、投資家として相場に向き合うものとして、円安によってどういった利益を得ることが出来るのかについて、しっかりと考えたうえで、円安のメリットを最大限に享受しつつも、次の展開に向けた備えが必要です。
今回は、円安円高やそれぞれの対応方法などについて紹介していきます。

そもそも、為替・外国為替について

為替手形や小切手、郵便為替、銀行振込などの現金輸送を伴わない決済サービスのことを「為替」といいます。
また、そのうち、通貨の交換を伴う異国間の為替取引が「外国為替」です。
外国為替における通過の交換の比率を為替相場・為替レートと言い、その変動により、円安や円高が生じることとなります。

為替レートは、需要と供給によって決まります。そして、需要と供給は金利の影響を大きく受けます。
金利の高い国にお金を預けた方が利益が出るので、その国の通過は買われやすくなり、通貨高となります。
まさにこれが現在進行している円安ドル高の正体と言えます。

金利は、中央銀行が定める政策金利が強く反映されます。今後の円安を見極めるには、景気動向指数とそれに対する各国の中央銀行(日本で言えば、日本銀行)の動向・政策を注視する必要があります。

為替相場(円安・円高)について

円安とは

例えば、1本1米ドルのボールペン。
2本購入したい場合、1米ドルが100円であれば、200円必要となります。
一方、1米ドル200円であれば、400円必要となってしまいます。

つまり、1米ドルに対しての円の価値が低下した言えます。
これが「円安」です。

今の円安が問題と言われています。食料品を始めとした生活必需品は輸入しているものが多く、物価高とのダブルパンチで商品の価格が上がってしまっています。これが生活に大きな打撃を与えているのです。

円高とは

「円高」は、他の通貨との為替レートで日本円の価値が高くなったことです。

1本1米ドルのボールペン。1米ドル100円であれば、100円で1本購入できます。しかし、1米ドル50円では2本も購入することができます。

資産運用における円安のメリット

為替差益が出る

円安が進んでいる状態では、外貨建て商品の値上がりが期待できます。
外貨建て商品としては、外貨預金や外国株式、外貨建債券などがあります。

例えば、1米ドル100円のときに、米国株式を100米ドル分購入するとします。購入時に必要な金額は、「1万円」になります。
110米ドルになったときに、売却をすると、売却の利益は10米ドルになります。
そして、その際に「1米ドルが110円」と円安になっていると、売却利益の10米ドルは「1,100円」となります。
※この計算では、税金や手数料は考慮していません。

円安によって外貨資産の価値が上がり、売却益に為替による利益が上乗せされる。これが円安の大きなメリットの一つです。

アメリカの利上げ局面(ドル高になりやすい)でも株価が上昇する業績相場やバブル相場など、株価の上昇と為替差益の両方の利益を狙える相場は投資において最高の環境と言えます。

輸出企業の株価の上昇が見込める

自動車や精密機器などの輸出企業にとっては円安は大きなメリットです。

1ドル100円から1ドル130円へ30円の円安となった場合、海外で100円で販売していた商品が130円で売れていることとなります。

つまり、円に交換した際に売上、利益面で「為替差益」が出ることとなります。

実際、トヨタ自動車が2022年2月に発表した前年4~12月期決算では、円安が追い風となり営業利益は過去最高でした。

こういった輸出企業は今後の決算発表等で利益が予想を上回ることが予想されます。企業が公表している「想定為替レート」も参考にし、良い決算をだしそうな企業に投資しましょう。株価上昇による利益を得ることができるかもしれません。

裏を返せば、円高時には、円安時のメリットが全てデメリットに変わってきます。

円安をうまく利用するために

最後に円安時のメリットを享受するための意識すべきことをご紹介します。

①円安や円高の為替は、長いスパンで上がったり下がったりを繰り返しています。そのため予想が難しいと思われるかもしれません。
しかし、為替相場は、各国の金利に、そして金利は各国の景気(経済)に密接に関わっています。
さらに、景気は循環をしています。好景気の後は不況が訪れます。
こういったサイクルを意識しながら、投資すると少し先を見た投資ができるかもしれません。

②また、投資は長いスパンでの考えることがとても重要です。
アメリカの株価も短期では、幾度と暴落に見舞われました。しかし、長期で見れば右肩上がりとなっています。
為替のサイクルと株価の上昇。この2つが同時に訪れる場面に向けて、長期的な視点で、コツコツと投資をすることが重要です。

③そして、やはり円安が進むことによるメリットを享受できるよう、一定の資産については外国建てで保有することをおすすめします。
いくらサイクルがあると入っても、短期的に、また予想外に、急激に円安が進行する場面はあると思います。そのときに、円安による輸入商品の値上げ等により、資産が目減りしないよう円安時に資産の値上がりが期待できる外貨建て資産にもコツコツ投資しましょう。

株式投資や投資信託、FX取引などを行っている場合には、避けては通れないものです。

為替が動く仕組みや円安の原因を論理的に捉え、皆さんの資産運用に役立てましょう。