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割安株を見つける指標「PSR」「PCFR」~テクニカル指標~

割安株を見つける指標「PSR」「PCFR」

皆さんはPSRやPCFRという指標をご存知でしょうか。RERやPBR、ROEなどと比べると少しマイナーな指標ですが、ともに株価の割安度を図るのに便利な指標です。PSRは新興市場を中心とした小型の成長企業の株価が高すぎないかどうかを図るのに使われ、PCFRは企業の国際比較にも用いられることが多い指標です。

PSR-売上高から割安株を見つける指標-

PSRは「price to sales Ratio」の略で株価売上高倍率です。

PSRの計算式


時価総額÷売上高


売上高と比較して、時価総額がどれだけ大きいかを計算し、一般的に、PSRは20倍以上が割高、0.5倍以下が割安と言われています。

売上高から計算するので、赤字の場合でも割安度を計算できます。PERではできません。これがPSRの特徴です。そしてこれが、新興成長企業の分析に使われる理由です。新興の成長企業は、先行投資を積極的に行っているので、赤字だか売上が順調に伸びている企業が多いからです。

また、今話題のサブスクリプションモデルの企業などは、利益を再投資し売上をあげるので、PERが高くなりがちです。そのため、PSRでの比較が有効となります。

PSRはITバブルの時期にIT関連株の急騰を説明するために多く使われていた背景があります。
「利益から見ると高いと高いけど、売上から見るとまだ上昇余地があるよ。」なんて説明していたのでしょう。
そのあと、バブルが崩壊したのは皆さんご存知のとおりだと思いますが…。

そういった過去もありますので、やはりPSRというひとつの指標だけではなく、RERやPBR、ROEなど複数の指標を総合的に判断することが、やはり重要です。

また、業種によっても傾向に偏りが出るので比較時に注意しましょう。

PCFR-キャッシュフローから割安度を図る-

PCFRは、「Price to Cash flow ratio」の略で、株価が1株当たりのキャッシュフローの何倍かを見る指標です。PERやPBRと一緒で株価が割安かどうかを判断します。

このPCFRは、PERやPBRでは判断しきれない割安度を判断できます。

具体的には、設備投資を割安度の判断に加えます。設備投資は、利益を押し下げることになるため、PERでは割高となってしまいます。

設備投資を積極的に行っている企業は、今後の成長のために行っており、将来にわたって成長が続く可能性を秘めています。そのためこのPCFRを割安の判断に加えることはとても有効だと言えます。

利益だけを重視してしまうと成長する可能性を秘めた企業を見落としてしまうこともあるので、PCFRにもぜひ注目してみてください。

PCFRの計算式

PCFR = 株価 ÷ 1株あたりの営業キャッシュフロー(※)

※営業キャッシュフローは、「本業のみの収支」です。「本業でどれだけ利益を得ているか」を表します。営業キャッシュフローには、当期の純利益に減価償却費を加えます。この減価償却費を加えることで、設備投資を判断に加えることになります。

このPCFRですが、一般的に9倍を標準にそれ以下であれば割安と言われますが、実際には明確な数値基準はありません。

その会社の過去の数値、同業他社などとの比較で判断すると良いかと思います。

また、PCFRは、PERを補完する形で使用するのがおすすめです。もちろん、設備投資は成功すれば、急成長の可能性もありますが、失敗すれば大きな損失となります。その点を踏まえて、複数の指標と併せてお使いください。

最後に

いかがだったでしょうか。今回はPSR・PCFRという2つの指標を紹介しました。こういった指標は、投資する銘柄、業種、そして投資スタイルに合わせて使うのが大切だと思います。皆さんもPSR・PCFRという指標を覚えていただき、必要に応じて使っていただければと思います。

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