中間選挙のアメリカ!過去の株価の傾向は?
目次
2022年はアメリカ中間選挙!
2022年は、アメリカで4年に一度行われる中間選挙の年です。中間選挙の年は、アノマリー現象によって株価が不安定になるといわれます。一方、アメリカ中間選挙を起点にして株価は上昇基調にもなっています。
アノマリーとは、マーケットの動きについて合理的な説明ができない現象のことです。
今回は、過去のアメリカ中間選挙年の株価の動きを振り返りましょう。そして、どのように相場と向き合うべきか考えたいと思います。
そもそも、アメリカ中間選挙とは
まずはアメリカの中間選挙について説明します。アメリカ中間選挙は大統領選挙から2年後に実施される議会選挙です。4年ごとの大統領選の中間の年に実施されるため「中間選挙」と呼ばれています。
アメリカ議会は上院と下院の2院制。中間選挙では下院の全議席と上院の3分の1の議席が改選されます。下院は各選挙区から議員1人を選出する小選挙区制で、各州への議席の割り当ては10年ごとに実施される国勢調査に基づき決まります。
上院議員は人口の多少に関係なく各州2人で、州は50あるので定数は100議席です。州知事などの地方選挙も中間選挙と併せて行われます。
選挙は11月第1月曜日の翌日の火曜日と決まっており、2018年は11月6日です。
アメリカでは共和党と民主党の2大政党制が確立しています。ほとんどは両党のどちらかに所属します。
ちなみに、トランプ前大統領は共和党出身で、バイデン現大統領は民主党です。
中間選挙は現職大統領と与党の過去2年間の政治に対する信任投票の意味合いが強く、選挙結果から現政権がどれだけ有権者に支持されているかが分かります。
2年後の大統領選の行方も見通す重要な選挙となっております。
中間選挙がマーケットにもたらす影響とは?
中間選挙では「ねじれ議会」が生まれると株価が下がる傾向にあると言われています。ねじれ議会とは簡単に説明すると、上院と下院の多数党が異なっていることです。
例えば上院の過半数が民主党で、下院の過半数が共和党となっている状態のことです。なぜ株価が下がるのかというと、アメリカ大統領の進めたい政策などが、議会の反対により、すんなりと進められず、政策が停滞する状況がうまれてしまうからです。
ねじれ議会は政策の停滞が景気の停滞および後退につながり、株価が安くなることが懸念されます。
しかし、例外があります。事前にねじれ議会が誕生することが予測されていた場合です。サプライズとはならないことからリスクオンの状態となり、株価が下がるリスクは低いと言われています。
すなわち、ねじれ議会の誕生はそもそも避けたいところではあるが、どうしても避けられなさそうであれば、それはそれで仕方ないという投資家心理が働きます。
中間選挙前後の株価の動きについて
2020年のアメリカ大統領選挙が記憶に新しいように、選挙はふたを開けてみないと分かりません。
そのため、中間選挙おいてもあらゆるシナリオを考える必要があり、今後の経済の不透明感が高まれば株式市場の足かせとなりかねません。
過去のマーケットからは、中間選挙の年は10月頃まで株価が低迷しやすいという特徴があります。
これは中間選挙の結果によって経済政策がどのように進められていくか、またどういった不安材料が生まれるかなどが懸念されるためです。
そして、中間選挙前後から年末にかけては株価が上昇しやすい傾向にあります。
さらに、中間選挙の翌年は株価の上昇率がさらに高まるという特徴があります。
これは、中間選挙を通過することによる不透明感の払拭に加え、大統領選に向けた景気支援策などが期待されるからだと言われています。
中間選挙前の株価の安値を拾えると、中間選挙後の上昇で利益を出せるかもしれません。
いずれにしろ、中間選挙結果は今後2年間のシナリオが変わってくるため注目度が高く、マーケットに与える影響が大きいため、しっかり準備しておきましょう。
アメリカ株式のアノマリーについて
アメリカ株式は、アメリカ中間選挙の他にも特有のアノマリーがあります。
代表的なアメリカ株のアノマリーはいかのものが挙げられます。
・1月効果
・新年度相場
・サマーラリー
・Sell in May
・ハロウィン効果
アメリカ株は、長期的に上昇し続けていますが、以上のアノマリーを利用して高いパフォーマンスで取引を行うことができるといわれています。
年間のアメリカ株式市場の値動きを調査した結果、3ヶ月パフォーマンス(ナスダック、NYダウ、S&P500の平均)のランキングは、
10月末買い1月末売り(+5.3%)
2月末買い5月末売り(+5.1%)
9月末買い12月末売り(+4.7%)
となっております。
また9ヶ月パフォーマンス(ナスダック、NYダウ、S&P500の平均)のランキングは
9月末買い6月末売り(+10.05%)
10月末買い7月末売り(+9.55%)
11月末買い8月末売り(+8.89%)
となっております。
さらに、「新年度相場」では1月は新興銘柄のナスダックが高パフォーマンスである傾向があります。一方、2月はそれに比べてパフォーマンスが下がるという特徴があります。
そのため、10月末に買った銘柄は1月の新年度相場で手放す。もしくは9ヶ月パフォーマンスで見られる通り6月末に売り抜ける。こういった手法も、過去の相場を見ると有効といいわれています。
また、長期保有が難しい投資家にとっては、「10月末買い1月末売り」と「2月末買い5月末売り」の年2回ベースで売買する。これが、下がりやすい時期を避けた場合のパフォーマンスは非常に高くなります。
まとめ
これまでの中間選挙を振り返ると、中間選挙におけるマーケットは不安定となります。株式を保有する際は注意が必要ですが、株価が下落したときに、しっかりとリスク管理して分散して買っていくのは有効だと考えています。
今年の株価は上下に波乱がある相場となりそうです。そういう時こそ利益が出やすいですので、逃げずに立ち向かいましょう!
株のアノマリーについて紹介した記事です。是非ご覧ください。
2022年はアメリカFRBの金融政策や、ウクライナ情勢にも注目が必要です。
2020年アメリカ大統領選の時の記事です。