Grain Field Green Detail Growing  - martinmaricak / Pixabay
外国株

コモディティ投資 米国ETF「GSG、DBC、DBA」比較

米国市場は長期金利の上昇。また、新型コロナウイルス感染症からの景気回復などにより、インフレが加速しています。令和4年1月の米国の消費者物価指数は前年比+7.5%を記録。これは約 40 年ぶりの高い伸び率です。
そして、このインフレ状況と、ロシアのウクライナ侵攻が相まって、値上がりをしているのが原油や天然ガス、食物などを中心としたコモディティです。
当記事では 米国市場に上場されているコモディティ ETF 3種類について、解説するとともに、比較していきます。

コモディティとは?

まず、コモディティとは、「商品」を意味する言葉です。

原油や天然ガスなどのエネルギー、金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦・とうもろこしなどの穀物(小麦・大豆・とうもろこしなど)、などが「商品」「コモディティ」です。

コモディティに投資できるETF

GSG

1 つ目はブラックロック社にて運用されている iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust です。(ティッカー:GSG)
GSGは S&P GSCI(R) Total Return Index に連動します。このインデックスは、長期にわたるコモディティパフォーマンスを測る指標として用いられているものです。

そして、エネルギー関連商品、農業、工業用金属、畜産関連商品、家畜製品から成ります。のちほど紹介するその他 2 つの ETF よりも幅広いセクターをカバーしています。なお、構成割合は、以下のとおりです。

エネルギー59.48%
農業18.77%
工業用金属11.45%
家畜6.00%
貴金属4.30%
2022年2月24日時点

他のコモディティインデックスよりエネルギーセクターへが多いのが特徴です。

この指数は世界生産量加重方式であり、インデックス内のそれぞれのコモディティの過去 5 年間の平均量によって生産量は決定されています。

また、経費率は 0.75%で、株式や債権 ETF と比較すると割高になっています。

DBC

Invesco DB Commodity Index Tracking Fund(ティッカー:DBC)は、DBIQ Optimum Yield Diversified Commodity Index をインデックスとしています。
世界で取引量の多い重要なコモディティ 14 種類の先物によって構成されています。

構成比率は以下のとおりです。

エネルギー55.51%
農業22.39%
工業用金属16.76%
貴金属9.26%
2022年2月24日時点

GSG と比較すると畜産カテゴリが存在せずカテゴリー数自体は少ないもののエネルギー先物への依存は小さくなっています。

さらに詳しく構成を見ると、以下のとおりとなります。

ULSD(軽油)12.96%
ガソリン12.74%
Brent原油12.46%
WTI原油11.63%
7.48%
アルミニウム6.48%
大豆6.04%
小麦5.96%
天然ガス5.72%
とうもろこし5.69%
Copper5.12%
亜鉛5.09%
砂糖4.70%
1.78%
2022年2月24日時点

このインデックスは商品ごとにロール利回り(先物契約の利益とその先物契約の原資産のスポット価格の変化との差。)が最も高い先物契約を必然的に選択することにより、潜在的なロールリターンを最大化するように設計されています。

品目数は少ないもののバランスは取れているETFと言えるでしょう。
また、経費率は 0.87%とこちらも高い水準となっています。

DBA

インベスコ DB アグリカルチャー・ファンド(ティッカー:DBA)は農業分野におけるコモディティにまとめて投資できる ETF になります。

ベースのインデックスは DBIQ Diversified Agriculture Index です。

農業部門の 10 の商品を対象としています。
この指数も商品ごとにロール利回りが最も高い先物契約を選択か、潜在的なロールリターンを最大化するように設計されています。

カテゴリとしては、農業と家畜のみとなります。なお、構成割合を少し詳しくみると以下のとおりです。

小麦14.19%
大豆14.14%
とうもろこし13.32%
コーヒー12.20%
生牛11.75%
砂糖10.99%
ココア10.75%
9.58%
フィーダー牛3.81%
コットン2.81%
2022年2月24日時点


また、経費率は 0.93%と今回紹介した ETF の中で最も高い水準となっています。

コモディティETF(GSG、DBC、DBA)の比較

最後に、各ETFの情報を整理すると以下の通りとなります。

経費率

GSG:0.75%
DBC:0.87%
DBA:0.93%
経費率はいずれも比較的高いと言えます。

しかし、大きな差はありません。そのため、銘柄選択に当たってはそれほど気にする必要はないと思います。


コモディティの構成割合

GSGDBCDBA
エネルギー59.48%55.51%
農業18.77%22.39%74.86%
工業用金属11.45%16.76%
家畜6.00%25.14%
貴金属4.30%9.26%
2022年2月24日時点

コモディティETFのパフォーマンス比較

今回紹介した 3 種の ETF(GSG、DBC、DBA) とアメリカ株式市場の代表的な指数の一つである S&P500 に比較したものが以下のチャートになります。
1 年間のパフォーマンスですが、ここ一年でかなり上昇した原油セクターを多く含む GSG、DBC は高いパフォーマンスを示しており、一方で、DBA はやや出遅れている感があります。

しかし、それでも足元軟調な S&P500 はアウトパフォームする結果を示しています。

個人的には、高値圏にある原油セクターを多くの含むGSG、DBCよりも、世界人口増加、異常気象などによる将来的な食糧危機を念頭にした超長期の投資としてコツコツとしたDBAの投資は魅力的に感じています。

コモディティETFパフォーマンス
コモディティETFパフォーマンス

最後に

新型コロナウイルスからの景気回復によるインフレは今後も続くと考えられます。そして、それはFRBの利上げ姿勢からも明らかです。

つまり、インフレにより好影響を受けるコモディティへの投資は、利益を得る可能性が高い投資と言えます。

この機会にコモディティ投資を検討してみてはいかがでしょうか。

アメリカ市場に上場している様々なETFを紹介した記事です。

コモディティの一つである金への投資が可能なETFを紹介しています。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。